勉強しろ勉強しろ勉強しろー!

オレが子供の頃、オレの親は毎日そー言っていた。オレはそーゆーのをやり過ごしながら子供時代を生きたケド、それを思い出させる調査が行われていた。
http://www.asahi.com/national/update/0616/026.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040617-00000093-mai-soci
つまり、親が判定する有害・優良TV番組のランキング。日本PTA全国協議会の調査結果である。何だろ、コレ。
先ずは、親が子供に見せたい番組の傾向。1位に輝く「プロジェクトX」以外は、知識系とでも言えばイインだろーか、そーゆー番組ばかりだ。10位に「トリビアの泉」が入ってるのが笑える。知識が増えるなら何でもイイのか。そーかそーか、やっぱり「お勉強」こそが大切ってワケか。勉強いっぱいして、日本の産業を、日本の高度成長を担って欲しいンだネ。「プロジェクトX」で紹介される「はたらくおじさん」を見習って…。
判り易過ぎる。しかも、ランキング10位内に4つもNHKの番組が入ってる。5位はニュース番組一般っつーコトらしいから、それも含めると5つ。スゲー。優良コンテンツの宝庫NHKってコトか。国営放送NHK。だから国民に害のある番組を流す筈がナイっつー感じ?そりゃ言い過ぎか。でも、ランクインしてるNHK以外の番組、ちょっとNHKっぽいモノばかりだと思うのはオレだけかナ?後、所謂エンターテインメント系の番組のランクインがナイっつーのもスゲー。
お次は、親が子供に見せたくナイ番組の傾向。脊髄反射系の番組っつーンだろーか、まー、順当にお下品お下劣、ンでもって暴力的な番組がランクインしてると思われる。そンな番組見てるヒマがあったら勉強しろーとゆー声が今にも聞こえそー。ココで「おや?」と思うのは、3位に「クレヨンしんちゃん」が入っているコトだ。ああいう子供に育って欲しくナイとゆーコトかと思ったら、調査対象は小5か中2の子供を持つ親だとゆー…はぁ。
アホくさくて話にもならン。PTAに目の敵にされちゃって気の毒だヨ、しんちゃん。そもそも、しんちゃんを人気者にしたのは、他でもナイ親世代の大人達なのに、ネ。しんちゃんにあやかって、新しく授かった子供に「しんのすけ」という名前を与える人々すら実際に存在した位なのだ。それを、しんちゃんと同年代の幼稚園児ではなく、しんちゃんから見たら随分「オトナ」な小5や中2の年代の子供には、しんちゃんの出る番組を見せたくナイとゆー。ま、しんちゃんと同年代の子供には見せたくナイとゆー話でなくて良かった。もしそーだとすると、ちょっと困ったコトが起きてるナーって思うから。実はそーゆーのも含ンでるかも知れンケド、取り敢えずスルーしておく。
元々「クレヨンしんちゃん」は青年マンガ雑誌で連載が始まった、最初から「オトナ」向けのマンガだ。今はどっちかとゆーと主婦向けと思われるマンガ雑誌で連載されてるケド、コレは確かTV放映が決まった後のコトだ。で、TV放映開始で一気に「こども」の目に触れる機会が増大。但し、だからと言ってこのマンガが「こども」向けになったワケではナイ。制作側がどれ位意識してるかは判らンケド「こどもが観ても楽しめる」というスタンスで、この辺は「サザエさん」や「あたしンち」でも同様だと思う。その逆パターンは「劇場版クレヨンしんちゃん」である。
クレヨンしんちゃん」で描かれる世界は、幼稚園児を持つ家庭の日常で、延々その時間の中を登場人物達は生きている。「劇場版クレヨンしんちゃん」では、それとは差別化して劇場で作品を観てもらうために、登場人物達を非日常に放り込む。典型的なのは「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」かも知れない。この作品では普通に日常生活を送っていたしんちゃん家族が、丸ごと戦国時代にタイムスリップする。彼等にとっての非日常世界に置かれてしまい、その状況を打破するため、家族は結束せねばならなくなる。そうした中で、家族と共にしんちゃんの意識も成長するとゆー、成長物語になっている。「劇場版クレヨンしんちゃん」は殆どこのパターンに当てハマる。ココで重要なのは「成長」というテーマだ。
「こども」向けとされるモノには、多かれ少なかれ子供の「成長」を促すとゆー要素が入っている。つまり「教育的配慮」だ。「どらえもん」にも、そーゆー要素はあるし、「アンパンマン」に至っては、あからさまに「教育的」だ。ま、それに当てハマらない例は多数ありそーだとゆーのは、この際無視しておく。「劇場版クレヨンしんちゃん」は「オトナ」も楽しめる「こども」向けの映画とゆーコト。
しかしマンガの「クレヨンしんちゃん」には、そういう要素は皆無と言ってイイと思う。成長させる必要がナイし、そもそもそーゆーマンガではナイ。コレは「サザエさん」や「あたしンち」も同様。「ちびまる子ちゃん」は、少女漫画雑誌に連載されてたせいか、ちょっと教訓めいたモノが入り込んでるような感じだケド。
ボボボーボ・ボーボボ」とゆーマンガを押さえて、子供に見せたくない番組ランキング上位に「クレヨンしんちゃん」が入ってるのは、こーゆー部分も理由になってると思う。しかも「オトナ」が支持するお陰で消えるどころか「国民的」なマンガとすら認識されちゃってるフシがある。その証拠に政府機関がしんちゃんをイメージキャラクターに採用していたコトすらあったと記憶してる。アノ、キワモノ的キャラ設定をされてるしんちゃんが、こンなにしぶとく人気者でいられるなンて!それはやっぱりしんちゃんが「こども」だからかナ。しんちゃんはタフガイだった!
こーなると、PTAとしては面白くナイ。あンなセクハラ幼児しんちゃんをのさばらせておいて、第二次性徴期に入った子供達に悪影響を与えられたら、タマラナイ!
そう、アンケートの対象は小5や中2の子供を持つ親だった。ものすごい危機感だナ。でも、彼等は「劇場版クレヨンしんちゃん」を子供に見せたくないとは思わないだろーナ。だってアレ、ちゃンと「こども」向けだし「オトナ」が観ても楽しめるし。ご家族で、是非どーぞ。