バンコク空港でアメリカ白人男性が自慢大会

3月、タイから日本へ帰る日の朝。バンコク空港に早く着き過ぎて、成田便出発まで時間がかなり余ってしまった。コーヒー買ってノンビリしてるか〜と、コーヒーショップでくつろいでたら、アメリカ白人男性4名が、文字通りどかどかと入って来た。全員50代後半なオヤヂ。赤ら顔の、所謂レッドネックな方々。よりによってオレの真後ろに座り、辺りも憚らずバンコクでの連夜の成果を大声で延々と話し始めた。
「あの女、俺にぞっこんだったゼ。」「アイツだってオレに惚れてるっぽかったゼ。」「アイツ、俺がケツ触ったらムッとしてたけど、ホントは嬉しかったに決まってる。」「今度来る時はプレゼント持って来ようゼ。」「お前、また来るか?」「ああ、マヂで来る。マヂで。」「俺も。」「俺もだよ。」「そうだろ?俺もだ。」
オヤヂのファンタジー炸裂。オレには聞き取りづらい「訛り」のせいで、半分はナニを言ってンのか不明だったケド、それくらいは判る。他愛もなく下品なオヤヂの丸出しさ加減に、朝からうンざり。コーヒーがやたら苦い気がしてきた。
彼等を「またバンコクに来たい」と言う程ぞっこンにさせたのは、タイ女性である。所謂ピックアップ・バーに行ってチヤホヤされたのが、彼等にとっての「忘れられない体験」だ。前の晩、そーゆー場所でタイ女性に背中から抱きつかれた白人男性が「あーもーしゃ〜わせ〜」な顔してるのと好対照に、抱きついてるタイ女性の目は冷ややか…いや、死んだような目なのを見かけたのを思い出す。こう書くとオーバーだケド、壮絶とも思える表情。そのまンま、その白人男性の首を絞め始めるンじゃナイかと錯覚する程。…あ、それもファンタジーの一種?でも、そー見えたンだヨ。
そンなンで、翌朝、脳天気ファンタジー炸裂現場に居合わせる居心地の悪さ。ま、あーゆーファンタジーが炸裂するお陰で、めでたくタイ女性と結婚しちゃったりするオヤヂ達がいたりするンだろーな。結婚に至るまでの理由が、それが全てとは言わないケド、そーゆーコトを連想するよーな会話ではあった。
あー、そうそう、白人オヤヂだけじゃなくて、中国オヤヂや日本オヤヂも、そのファンタジーを炸裂させがちかも。つーか、ナニがそンなに寂しいのか。…追求すると、どツボになりそー。あうー。