自分の歯を剥製に

アメリカ人の友人と共にランチを喰いにモーモーパラダイスへ。すき焼き、しゃぶしゃぶ、喰い放題ランチ。すき焼きを選択。今日は時間に余裕がナイので、大急ぎで喰う。彼のすき焼き初体験は、このモーパラだったので、彼が「すき焼き」と言えばモーパラである。「ランチ、もっと頻繁に来なきゃね。」と嬉しそーに言う。ランチはディナーに比べて値段が安い上に、ドリンクもご飯もお代わり自由だからだ。
昔、この喰い放題を英語で何と表現するのか知らなくて、お肉をお代わりデキると、辿々しー英語で何度も説明した気がする。「All you can eat」と言えば判ると今では知ってるケド。「オメーが喰えるだけぜ〜ンぶ」とゆー意味。
「叔父さんの葬式は明日なの?」と訊く。「判らないんだよね、昨日電話して確認しなかった。」「ふ〜ン。叔父さんってクリスチャンだったよね?」「うん、カソリック。叔母さんはプロテスタントだったんだけど、改宗したかどうか、覚えてないな。」やっぱ、改宗したりすンのか?ちなみに改宗の部分は、彼は「change」と言った。「convert」ではナイ。「それぞれ葬式のやり方が違ったりするの?」「多分。」
話がオレの歯のコトになる。「歯の調子はどう?」「今、クスリで治療中だよヨ。」「で、次はどうするって?」「歯に詰め物(stuffing)すると思う。」しばし、アメリカ人沈黙。まぢまぢとオレの顔を見る。「ああ、詰め物(filling)だね。」と言ってクスクス笑う。ハッ!またヤッちまったか?
オレがアメリカにホームステイしてたある日。その日はサンクス・ギヴィング・デーだった。七面鳥に詰め物(stuffing)をしてオーブンでじーっくり焼いたのを、約1週間に渡って楽しむ時期到来である。オレはそれで詰め物は「stuffing」と新しく覚えた。しかーし、実はこの「stuffing」とゆーのは、主に動物の剥製を作る時に詰めるモノのコトを指す。「stuff」と言えば、喰いモノやクスリのコトを指したりもする。だから、オレがその時言った言葉は「歯を剥製にすると思う」とゆー意味になっちゃうンである。そりゃーキョトンだよナァ。虫歯に詰め物をするのは「filling」を使う。そーだ、そーいや、そーだった。オレも暫く思いつかなくてキョトンだった。その間、オレ達の間のすき焼きの上を天使が舞っていたのはゆーまでもナイ。